中国彫漆工芸
宋朝時代(960年 - 1279年)に生み出されたとされる、彫漆は生産工程で施される洗練された技術で、中国の漆器を非常に芸術的な工芸品にした。異色の漆の層を重ね、適宜の色が出るまで彫り込む「紅花緑葉」といった技術も生まれた。張成、楊茂といった名工がこの時代を代表する。明朝代(1368年 - 1644年)後期に入ると、表現が一層、緻密になり、琉球漆器にも見られる「戧金」は引き続いて施されている。これは東大寺に伝わる雲鳳戧金経櫃(うんぽうそうきんきょうびつ)などに現われている。 この頃は、日本との貿易も盛んに行われ日本産の蒔絵が受け入れられた。楊塤、方氏がこの時代の名工である。
漢、唐、宋朝代の間に漆の処理工程は中国から広がり、 それは最終的に韓国、日本、東南・南アジアに紹介された。 日本には8世紀に、漆器の技術が仏教と中国の文化財とともに朝鮮半島を通って伝えられ、14世紀明朝代に彫刻された漆器が伝えられた。
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中国螺鈿工芸
螺鈿(らでん)は、主に漆器や帯などの伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつ。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出した板状の素材を、漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む手法、およびこの手法を用いて製作された工芸品のこと。螺は貝、鈿はちりばめることを意味する。
使用される貝は、ヤコウガイ(夜光貝)、シロチョウガイ(白蝶貝)、クロチョウガイ(黒蝶貝)、カワシンジュガイ(青貝)、アワビ、アコヤガイなどが使われる。はめ込んだ後の貝片に更に彫刻を施す場合もある。