品番:REN-17
品名: 京劇人形 穆桂英(ぼくけいえい)
¥4800「税込」在1

人形の身長 / 約34cm
素材 / 服 - 絹


いつの時代でも何処の国家でもそうだが、ふだん社会の甘い汁を吸っているエリートや特権階級は、国が危機に瀕したとき、必ずしも勇敢には戦わない。むしろ「二級市民」や庶民のほうが、純粋な愛国心をもち、血と汗を流して戦う傾向がある

楊家は、昔の日本で言えば武士にあたる世襲軍人の一族である。もともと楊一族は、宋の敵国だった北漢の忠臣であったが、宋が北漢を併合し、中国を統一したあと、楊家軍も宋軍の一部に編入された。宋の皇帝は楊一族を信頼したが、高級官僚や職業軍人たちは楊一族の人気に嫉妬し、その卓越した武力を警戒した。楊一族は、いわば外様(とざま)であり、二級市民であった。
 楊家の男たちは、祖国・宋のために、勇敢に戦ったが彼らは、常に二つの敵と戦わねばならなかった。眼前の外国軍と、背後の宋国内の嫉視である。初代の楊業(?-986。楊継業ともいう)とその息子たちは、宋軍の先鋒として、異民族である遼(りょう)の軍隊と勇敢に戦ったが、彼らを嫉妬する宋軍の司令官の策謀によって死地に送られ、無念の最後を遂げた。
 生き残った楊家の男たちは、それでも、祖国のため、民の平和を守るために、戦場へと向かった。男たちが次々に戦死すると、未亡人や娘たちが女だてらに武器を手にとり、その志を継いだ。彼女たち「楊門女将」の中心となったのは、楊業の未亡人と、楊業の孫の嫁である穆桂英(ぼくけいえい)であった。